2-1, プロのためのWEB制作環境、第2世代
WEB制作を、WEB制作会社に外注する時代。
WEB独自の技術は特殊であり、社内に保持することは人材に恵まれなければならない。これが一般的に認知されてきました。結果、WEBはWEB制作会社に頼んだ方が、きちんとしたものをすぐに用意できるということで、おおむね2000年ぐらいから現在に至るまでこの状態です。
WEB制作会社は増えていき、小さな企業でもWEBを持つことが当たり前になりました。世の中では、
「WEBサイトがない=存在しない」と言っても過言ではない時代。
たとえば、いまさらWEBサイトがないホテルは見つけてもらえないでしょうし、自分が事業的に明るくない分野の仕事がある場合は、まずはWEBで検索したりします。そこで検索に洩れたら検討リストにも入りません。
つまり、多くの人が数年前に予言したとおり、WEBサイトが無い企業、機関は、存在しないのと同じ扱いを受け、それだけの機会損失が生まれてきました。
このようなことも相まって、多くの企業はWEB制作外注することが増えました。
メリット
プロが作ることによるメリットは多くなります。
- プロのデザイン。美しくまとまったデザインに!
- WEB制作会社による第3者的な目線。
- WEB制作会社のノウハウや技術をサイトに反映できる。
- それっぽいWEBサイトができあがるのが早い。
- WEB制作会社によるコンテンツの整理整頓。
- 階層化されて読みやすいサイトになる。
- サイトオーナーのWEB担当者に特別な専門知識が不要で、本業に近いところに専念できる。
WEBを探せば様々な情報が手にはいるようになった時代。
企業のWEBが美しく見やすくなったのは、WEB制作会社の努力の成果です。そして競争の結果、サイトを訪れる訪問者の要求は厳しくなり、徐々にプロの手にってしか作れないものになっていきました。
デメリット1. サイトオーナーが失ったもの
この時代にWEBを作ったサイトオーナーが得られなかったものはなんだったのでしょうか?
- 運営が難しい。
- 自社でサイトを編集しようと指定のソフト導入したが、いまいちわからない。
- せっかく、デザイナーに作ってもらったデザインを崩してしまったりする。
- 運営まで任せると、WEB会社に支払いが発生してしまう。
- サイト更新の度に、お願いするのが大変。小さなことだと気が引ける。
これらは、実際のサイトオーナーから出てきた言葉ですが、本当に失ったものは別にあります。それは。
失ったもの=自分達の為のWEBサイト小さなWEBサイトの運営は、ほぼイコール編集作業といえます。そしてこれが出来ないと言うことは、運営が出来なくなることを意味します。
WEB運営が出来なかったために失ったことは、WEBと自社の事業の距離感がつかめなくなることです。
その結果、起きたことが、
- 「WEBサイトを作っても意味がなかった。」と思ってしまう。
- なぜならお金を払っただけだったから。
- 次々にWEB業者を変えてしまう。
- やったことがWEB会社への発注だけなので、サイトがよくないのはWEB制作会社の責任になってしまう。
- 自社のイベントをWEBには掲載することに、考えが及ばない。
- 面倒なのでそもそもそういう文化が生まれない。
- 等々。
これらは、1世代目のWEB制作環境でWEB制作をしたサイトオーナーには、考えられないことでしょう。
プロが作った2世代
WEBがプロが作るものになっていくとともに、WEBが一つのコーポレートデザインを表すものとなりました。その結果、WEBに要求されることは徐々に高度化して行きました。
2世代目のWEB制作環境は、プロのために変化していったのが特徴です。
一方でサイトオーナーが抱える問題は深刻です。
自分たちのWEBのはずなのに作ってもらったWEBに変化し、WEBとの距離感がつかめなくなるオーナーが増えてきました。